自動転送でかんたんシェアしよう
シャッターを切るたびに写真をスマホに自動転送してくれるアプリ
一眼カメラできれいな写真を撮っても、SNSに投稿したり、友だちとシェアしたりするには、一度スマホなどへ移動させなければなりません。
その手間を省いてくれる「写真の自動転送」機能が、カメラメーカーがリリースしているアプリにあります(無いのもあります)。
今回の記事は、「カメラからスマホへ写真を自動転送できるか?2024」をテーマに、キヤノン、ソニー、ニコン、富士フイルム、パナソニック、オリンパス(OM SYSTEM)の各社アプリを試してみました。
さっそくですが、検証したアプリの紹介と結果です。
自動転送 | Bluetooth接続だけでできること | その他特長 | |
---|---|---|---|
Nikon SnapBridge |
◎ (可能) |
自動転送 | - |
Panasonic LUMIX Lab |
○ (可能) |
無し (旧アプリでシャッターリモコン) |
LUTの編集、保存、インポート |
Canon Camera Connect |
○ (可能) |
シャッターリモコン | ライブ配信 |
FUJIFILM XApp |
○ (可能) |
シャッターリモコン | 「タイムライン」「アクティビティ」機能 |
OM SYSTEM OI.Share |
× | 無し | 豊富な画像加工機能 トラッキングとアクティビティの管理 |
Sony Creators' App |
△ (旧アプリで可能) |
無し | LUTインポート |
オンリーワンの機能を持つアプリもある中、アプリが刷新されたのに劣化したものも……。
個人の感想になりますが、ニコン「SnapBridge」だけ◎です。
その理由などは、次項より個別に見ていきましょう。
Nikon
SnapBridge(自動転送可)
ニコン純正アプリ「SnapBridge」は、以前の特集でご紹介したときと同じく、撮影中にスマホへ自動転送する機能は健在です。
特集時(5年半前!)はニコン以外のメーカーだと、手動で撮った写真を選択しないとダメだったはずです。
さて、2024年版のSnapBridgeですが、より使いやすくわかりやすく改善されているようですが、残念ながら目立った新機能は追加されていないようです。
しかしながらBlutooth接続のみで画像の自動転送ができるかぎり、各社アプリにおけるトップヒエラルキーは揺るがないと思います。
今回改めて使ってみてのまとめです。
SnapBridge のポイント
- Bluetoothのみで完結する自動転送
- 自動転送は2Mの解像度設定のみ
- リモート撮影にはWi-Fi接続が必要
自動で転送される写真は低画質のものになりますが、スマホで見るだけなら全く問題無いでしょう。
もちろん、元の高画質画像や動画データはW-Fi接続すれば転送することができます。
Bluetooth接続のみで行う自動転送は2Mピクセル以外は選べない
なぜBluetooth接続だけで自動転送できることが良いのかというと、Wi-Fiが占有されないため、いちいち接続先を変更することなくインターネットやチャットツールなどを気にせず楽しめるからです。
つまりSnapBridgeを開いておかなくても大丈夫ということ!
機能だけでなく使いやすさもGOODなアプリだと思います。
Panasonic
LUMIX Lab(自動転送可)
パナソニック純正アプリ「LUMIX Lab」は、2024年5月に登場したばかりの新アプリです。
これまでの旧アプリ「LUMIX Sync」も並行してリリースされ続けていますが、その違いは何でしょうか。
ひとまず使ってみての感想です。
LUMIX Lab のポイント
- 自動転送にはWi-FiとBluetoothの両方の接続が必要
- スマホの電源が入っていれば画面をオフにしていても転送される(ロック状態でも!)
- 5GHz帯Wi-Fiも利用可能(屋内制限)
- 対応機種がDC-S9およびDC-GH7のみ(2024年8月時点)
Wi-Fi接続を併用するため、高画質の写真も転送できます。
ただしスマホはカメラとだけ通信を行う状態となるため、インターネットを使うにはカメラとの接続を切らなくてはなりません。
自動転送にはWi-Fi接続も必要
またLUTデータをダウンロードする際にカメラとのWi-Fi接続が途切れますので、自動転送機能に不具合が生じます。
LUTは事前にダウンロードしておいた方が良いでしょう。
なおLUMIX Syncでもほぼ同様の条件で画像自動転送が可能です。
ではなぜ新アプリが登場したの?となりますが、LUMIX LabはDC-S9およびDC-GH7のLUT機能に対応する必要があったためでしょう。
ちなみに2024年8月時点では、LUMIX Labでは「リモート撮影」「シャッターリモコン」の機能が使えません。
これらの機能は旧アプリにて使用できます。だから並行リリースなんですね、と。
ただし旧アプリ「LUMIX Sync」の方が新アプリ「LUMIX Lab」より動作がもっさりです。
きびきび動くLUMIX Labの早急なアップデートに期待です。
LUMIX Lab対応の主なカメラ
Canon
Camera Connect(自動転送可)
キヤノン「Camera Connect」は、おそらく2011年か2012年あたりに登場したアプリです。
アップデートはされていますが、コンパクトデジカメや一眼レフカメラ時代から存在していたためなかなかの古株です。
Camera Connect のポイント
- 自動転送にはWi-FiとBluetoothの両方の接続が必要
- スマホの電源が入っていれば画面をオフにしていても転送される(ロック状態でも!)
- 別の処理をするとスマホとのWi-Fiが切れやすく感じた
- Bluetooth接続だけでシャッターを切る操作が可能
- アプリ自体はたくさんの機能を備えているが、全ての機能に対応した機種が少ない
自動転送にはWi-Fi接続も必要
自動転送機能はLUMIX Labと同等ですが、アプリとのWi-Fiコネクションが切れやすいように感じました。
再接続操作はかんたんですが、10数秒は時間がかかるため、ストレスです。
Camera Connectは他社アプリと同様にシャッター操作や画像転送が主な機能ですが、最大の特長は「有線 (USB) 接続」での画像転送やライブビュー撮影ができる点でしょう。
でもこれはどういうときに有用なのでしょうか。おそらくWi-Fiより安定した高速転送が可能で、時間短縮できるのでしょう。
邪推になりますが、Wi-Fiの接続が切れやすいため、メーカー側も有線接続を推奨してるのかもしれません。
Camera Connect対応の主なカメラ
FUJIFILM
XApp(自動転送可)
「FUJIFILM XApp」は、2023年から配信開始されたアプリ。
そのため比較的新しめのカメラにしか対応していません。
気になった点は以下のとおり。
XApp のポイント
- 画像の自動転送はカメラ側の設定が必要
- 自動転送にはWi-Fi接続とアプリへの許可がアクティブなときに限る
- 「タイムライン」と「アクティビティ」による活動記録が残せる
- Bluetooth接続だけでシャッターを切る操作が可能
撮影しながらの自動転送は、カメラ側で設定することで可能となります。アプリのメニューからは設定できません。
アプリの指示に従って自動転送の設定を行う必要があります
またカメラやスマホがスリープになると接続が切れるため、回避設定をしておくと良いかも。
Bluetooth接続時はレリーズだけですが、Wi-Fi接続時はライブビュー撮影ができます。
XApp対応の主なカメラ
ここからは残念ながら自動転送ができないアプリの紹介です。
OM SYSTEM
OI.Share
「OI.Share(OM Image Share)」は、2013年ごろから配信されていたと思われるアプリ「OI.Share(OLYMPUS Image Share)」の後継アプリです。ブランドネーム変更によりアプリも変更となった感じですね(略称は同じですが)。
機能的には以前を踏襲していますので、ほぼ同じなはず。そんな中、気になった点は次のとおり。
OI.Share のポイント
- 撮影しながらの自動転送はできない
- 移動や標高(水深)のトラッキングとアクティビティ管理機能(一部機種のみ)
- アートフィルターをはじめとした豊富な加工機能
- 手書きサイン挿入ができる
- シャッターレリーズ操作もWi-Fi接続が必要
写真加工は、よくある露出補正やトリミングなどに加え、オリンパス独自のアートフィルター、カラークリエーターの機能や、RAW現像ソフトに搭載されている「かすみ除去」や「明瞭度」などの調整もできる、割と至れり尽くせりの内容です。
これ、無料です。すごいですね。
画像の加工機能が豊富にあって撮った後も楽しめます
ちなみにスマホ内に写真があれば、アプリに対応していないカメラで撮った写真も加工できます。
無料なの本当に?
なんちゃってサインも書いて挿入できるので、パソコンが無くてもスマホだけでかなりクリエイティブなことができます。
ただスマホのスペック次第では処理がもっさりかも。
画像転送機能は残念ですが、画像加工まわりの独自性は素晴らしいですね。
OI.Share対応の主なカメラ
Sony
Creators' App
最後にソニーの「Creators' App」です。
2023年に登場したばかりのアプリで、新しめのカメラにしか対応していません。
そのため旧アプリ「Imaging Edge Mobile」も並行してリリースされています。
おや、先ほどのパナソニックのときと同じですね。
今回はα6700で使ってみました。気になった点はこちら。
Creators' App のポイント
- 撮影しながらの自動転送はできない
- スマホとのWi-Fiが切れやすく感じた
- 対応機種は各モデルの最新機種が中心(2024年8月時点)
パナソニックのようにLUTファイル (動画のLOOKプロファイル) をカメラにインポートする機能があるため、新しくアプリが開発されたような予感です。
またキヤノンと同様に「有線 (USB) 接続」ができますが、Wi-Fiの接続が切れやすいのも同様です。
Wi-Fiで画像転送するときは、カメラに一切触れないようにするのが良いかもしれません。
下の画像以外にも、細かくカメラ設定が行えます。アプリだけで完結できるくらいです。
非常に多くのカメラ設定がアプリから行えます
旧アプリ「Imaging Edge Mobile」もα6400で使ってみました。
なんと旧アプリは撮影しながら画像を自動転送できるのです!
しかし!Creators' Appに対応したカメラは旧アプリが使えません!!
どうして…。
使用感ですが、スマホ上でアプリを開いたままにしないといけないのと、カメラのメニューを開くとWi-Fi接続が切れる(Fnメニューなら大丈夫)のが難点ですが、私のようなエンジョイ勢にはCreators' Appより優れているように感じました。
今後、旧アプリが使えなくなるカメラが増えていくはずですが、同時にCreators' Appの使いやすさも向上していきますよね?ソニーさん。
まとめ
念入りに試したつもりですが、間違いがあったらすいません。そのときはご指摘いただけると助かります。
この情報がカメラを選ぶときの参考になれば幸いです。