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APEX RENTALSでレンタルできるiPadやiPhoneを使ってmocopiの動作確認をしてみた
全29端末

みなさん、mocopi(モコピ)ってご存知でしょうか。聞いたことがある!という方は意外と多いかもしれません。

mocopiは、ソニーが2023年1月に発売した「モバイルモーションキャプチャー」と呼ばれる機器で、体に装着することで、自身の動きを3Dキャラクターへ投影したり、動きを記録することができるトラッカー(追跡機)です。

mocopi
ソニー公式ページへ飛びます

トラッカーといえば VIVEトラッカー(リンク先はGoogle画像検索)(※)が有名ですが、そこそこデカい。これを両手、両足、腰などにつける(フルトラッキング、フルトラ)のはなかなか大変そう…。 ※頭につけているのはVRヘッドセット、口元にあるのはフェイシャルトラッカーで、mocopiには無い役割を担うものです

そんな中、ソニーから発表されたのがこの mocopi(リンク先はGoogle画像検索)。VIVEと比べるとかなり小さく軽量化が図られているのが分かります。

発表された当時は絶対買うと意気込んでいたのですが、お値段約5まんえん!!!
衝動買いするにはきびしいお値段・・・躊躇して手を出せず・・・
最後までかなり悩みましたが、つい先日まで一月待ちだったのが当日発送になったこと、1500円引きクーポンがもらえたことが重なり、最終的にはお支払いは未来の自分に任せる(クレカ払い)ことにして勢いで購入。
せっかく購入したのだから何か役立つ記事を書こう、ということが今回のいきさつです。

長くてすいません。本編へと進みましょう。
完成が遅くなっていまさら感もありますが!!本記事ではmocopiで試用してみた端末とその結果を書き添えています。いつものお約束と言いますか、注意があります。
必ずお読みいただき、ご理解いただいた上でご活用ください!

お約束
  • ・ご活用はすべて自己責任でお願いします。生じた不具合、不都合に対して、APEX RENTALSでは一切の保証および対応はできません。
  • ・もちろん非公式ですので公式への問い合わせはご遠慮ください。
  • mocopiのレンタルは行っていません(スタッフ自腹所有物)
  • ・個人による10分程度のチェックですので、内容を100%保証するものではありません。情報に明確な誤りがある場合はご指摘ください。修正いたします。
  • ・問題が無いように思われた機器でも、長時間動作させ続けることでチェック時に得られなかった別の結果(不具合)が生じる可能性はあります。
  • ・VRMアバターについてはものによりけりだと思いますので、何かあってもご自身でなんとかしてください。
  • ・iPad/iPhoneのRAMについては公表されていませんので、インターネット上の情報を記載しています。

iPad系

iPad Pro 12.9インチ(第5世代)
動作可VRM可レンタル
iPad Pro 12.9インチ(第5世代)

ペアリングもその後の接続も問題なく行え、モーションの遅延もわずかでした。AR背景モードも楽しめます。

スペック
2021年上半期発売
Apple M1 / 8GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPad Pro 12.9インチ(第4世代)
動作不安定
iPad Pro 12.9インチ(第4世代)

警告が出たり消えたり、いつ固まるかわからない状況で、一応動作はできました。ただ、おすすめはできません。

スペック
2020年上半期発売
A12Z Bionic / 6GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPad Pro 12.9インチ(第3世代)
動作不可
iPad Pro 12.9インチ(第3世代)

遅延はわずかですが、警告が出て、最終的には固まります。

スペック
2018年下半期発売
A12X Bionic / 4GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPad Pro 11インチ(第3世代)
動作可VRM可レンタル
iPad Pro 11インチ(第3世代)

iPad Pro 12.9インチ(第5世代)と同じです。問題なく楽しめると思います。

スペック
2021年上半期発売
Apple M1 / 8GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPad Pro 11インチ(第2世代)
動作不安定
iPad Pro 11インチ(第2世代)

iPad Pro 12.9インチ(第4世代)と同じです。一応動作しますがおすすめはできません。

スペック
2020年上半期発売
A12Z Bionic / 6GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPad Air(第5世代)
動作可VRM可レンタル
iPad Air(第5世代)

ペアリングもその後の接続も問題なく行え、モーションの遅延もわずかでした。AR背景モードも楽しめます。

スペック
2022年上半期発売
Apple M1 / 8GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPad Air(第4世代)
動作可VRM可レンタル
iPad Air(第4世代)

型落ちとは言え問題はなさそうな動作でした。

スペック
2020年下半期発売
A14 Bionic / 4GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPad(第10世代)
動作可VRM可レンタル
iPad(第10世代)

ノーマルのiPadですが問題は感じられませんでした。

スペック
2022年下半期発売
A14 Bionic / 4GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPad(第9世代)
動作可VRM可レンタル
iPad(第9世代)

基本的に問題なし。遅延はありますが試用ではほとんど問題ありません。A12チップ以下と比べるときびきびと動かせていると感じられます。

スペック
2021年下半期発売
A13 Bionic / 3GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPad(第8世代)
動作不可
iPad(第8世代)

動かせはしますが、1秒弱程度遅延あり。1分を超えると警告が出ることが多く、ほどなくしてアバターが固まってしまいます。

スペック
2020年下半期発売
A12 Bionic / 3GB RAM
Wi-Fi 5/Bluetooth 4.2
iPad(第7世代)
動作不可
iPad(第7世代)

動かせはしますが、遅延が10秒以上あります。実用に耐えられません。

スペック
2019年下半期発売
A10 Bionic / 3GB RAM
Wi-Fi 5/Bluetooth 4.2
iPad mini(第6世代)
動作可VRM可レンタル
iPad mini(第6世代)

ペアリングもその後の接続も問題なく行え、モーションの遅延もわずかでした。AR背景モードも楽しめます。

スペック
2021年下半期発売
A15 Bionic / 4GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPad mini(第5世代)
動作不可
iPad mini(第5世代)

iPad(第8世代)と同じく動作はしますが、1秒弱程度遅延あり。1分を超えると警告が出て固まります。

スペック
2019年上半期発売
A12 Bionic / 3GB RAM
Wi-Fi 5/Bluetooth 5.0
POINT

iPadは公式の対応端末に一切無いため、ここが一番価値がある情報でしょう。
結論は「A13チップ以上が搭載されていること」になりました(ただしA13チップ搭載端末は公式の動作確認リストにありません)。
iPad Proだったらどれも動きそうと予想していましたが、A12チップ以下搭載モデルは動作が怪しく、どうやらチップの性能が大きく影響しているようです。

なおA12チップには「Z」とか「X」と付いた亜種がありますが、mocopiを動作させる上では特に違いを感じられませんでした。

APEX RENTALSのiPadレンタルページはこちらSIMフリー端末はこちら

アップデートで追加されたAR背景モード。mocopiの特長がさらに引き出されたものだと思います(同様なアプリはあるはずですが、1つのアプリで完結するのが利点)。

iPhone系

iPhone 14 Pro Max
公式対応動作可VRM可レンタル
iPhone 14 Pro Max

まったく問題なし。

スペック
2022年下半期発売
A16 Bionic / 8GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.3
iPhone 14 Pro
公式対応動作可VRM可レンタル
iPhone 14 Pro

まったく問題なし。

スペック
2022年下半期発売
A16 Bionic / 8GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.3
iPhone 13 Pro Max
公式対応動作可VRM可レンタル
iPhone 13 Pro Max

まったく問題なし。

スペック
2021年下半期発売
A15 Bionic / 6GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPhone 13 Pro
公式対応動作可VRM可レンタル
iPhone 13 Pro

まったく問題なし。

スペック
2021年下半期発売
A15 Bionic / 6GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPhone 12 Pro Max
公式対応動作可VRM可レンタル
iPhone 12 Pro Max

まったく問題なし。

スペック
2020年下半期発売
A14 Bionic / 6GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPhone 12
公式対応動作可VRM可レンタル
iPhone 12

まったく問題なし。遅延もほとんどありません。

スペック
2020年下半期発売
A14 Bionic / 4GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPhone XS
動作不可
iPhone XS

チップがA12だと1分を超えると固まってしまうので、動きを見るだけならできますがまったく実用的ではありません。

スペック
2018年下半期発売
A12 Bionic / 4GB RAM
Wi-Fi 5/Bluetooth 5.0
iPhone X
動作不可
iPhone X[レンタル終了]

挙動はA12と同じようなもので、時間経過で固まらなくてもアバターへの動きの反映が10秒以上の遅延となります。使い物になりません。

スペック
2017年下半期発売
A11 Bionic / 3GB RAM
Wi-Fi 5/Bluetooth 5.0
iPhone SE 第3世代
公式対応動作可VRM可レンタル
iPhone SE 第3世代

まったく問題なし。快適です。

スペック
2022年上半期発売
A15 Bionic / 4GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPhone SE 第2世代
動作可VRM可
iPhone SE 第2世代[自前]

見える程度には画面上で遅延はありますが、それなりに動きます。ある程度の時間、動作させ続けてもテスト時は警告が出ませんでした。

スペック
2020年上半期発売
A13 Bionic / 3GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.0
iPod touch 第7世代
動作不可
iPod touch 第7世代

もちろん不可ですが、少しだけでも使えたのが逆にびっくりです。

スペック
2019年上半期発売
A10 Fusion / 2GB RAM
Wi-Fi 5/Bluetooth 4.1
POINT

今回の試用でiPad、iPhoneをたくさん試しましたが、公式にリストアップされているモデルなら、わずかな遅延で安定して楽しめることが明確にわかりました。
A13チップ搭載のアイフォンでも動きますが、A14チップ、さらにA15チップを搭載した端末の方がより快適で、なにより安心、というレベル分けです。

iPadの項目でも言いましたが、動作の境目はA13チップ以上が搭載されていることで間違いないでしょう。
何度も言いますが、A13チップ搭載の端末は公式では推奨していませんので、動きますが自己責任でご利用ください。

APEX RENTALSのiPhoneレンタルページはこちら

スマホがあればどこでも使えるので、これまでのトラッカーと違って小型軽量も相まって屋外でも気軽に(?)使えるところが良いですね。

Android系

Xperia 5 II
公式対応動作可VRM可
Xperia 5 II[自前]

自前の端末なのでそこそこ長い時間使用してみましたが、大きな問題は発生せず。公式の動作確認済み端末にリストアップしているから当たり前かもしれませんが。
ちなみに通信が不安定と警告が出るときもありました。

なお私の端末では使用時は毎回ペアリング解除してやり直さないと使えませんでした(めんどくさい)。

スペック
2020年下半期発売
Snapdragon 865 / 8GB RAM
Wi-Fi 5 / Bluetooth 5.0
Google Pixel 6a
動作可VRM可レンタル
Google Pixel 6a

ペアリングで少してこずりましたが、動いてしまえば問題なし。
実際の動きと画面上でごくわずかな遅延がありますが、公式対応モデルと同等レベルの短さです。
なおTensorはSnapdragon 865よりも15%程度低スコアです。

スペック
2022年下半期発売
Google Tensor / 6GB RAM
Wi-Fi 6/Bluetooth 5.2
Google Pixel 5a (5G)
動作可VRM可レンタル
Google Pixel 5a (5G)

短時間の使用では問題なく動きました。Snapdragon 865と比較すると40%程度低スコアなチップですので、長時間動作でどうなるかは未知数です・・・。

スペック
2021年下半期発売
Snapdragon 765G / 6GB RAM
Wi-Fi 5/Bluetooth 5.0
Google Pixel 4a (5G)
動作可VRM可
Google Pixel 4a (5G)[レンタル終了]

カタログスペック上ではGoogle Pixel 5a (5G)と同じです。

スペック
2020年下半期発売
Snapdragon 765G / 6GB RAM
Wi-Fi 5/Bluetooth 5.0
Lenovo Yoga Tab 11
動作不可
Lenovo Yoga Tab 11

接続した瞬間にセンサーとの通信が不安定と出ますが、1分、2分と超えてもとりあえず止まらずに動かせます。
ただしだんだんと遅延時間が増えていきます。
また最初から精度があやしく、他と比べてアバターが不自然です(関節の曲がり方がおかしいなど)。

スペック
2020年下半期発売
Helio G90T / 4GB
Wi-Fi 5/Bluetooth 5.0
POINT

Androidは全体的にペアリング処理がiOSに比べて不安定に感じました。iOSの端末を持っているならそちらで使う方がベターかもしれません。
ただしiOS版のアプリが4月6日にアップデートされたので、Android版のアプリもアップデートが来たら、接続回りが改善するかもしれません。

ちなみにペアリングが上手くいかないとき、以下を行えば上手くいきました。
1.mocopiアプリ上ではなく、OSのBluetoothの設定項目を開き、ペアリングされているmocopiの端末をすべて削除
2.改めてmocopiアプリを最初から処理し直す

APEX RENTALSのAndroidスマホレンタルページはこちら

公開をもたもたしてたら4月21日にAndroid版もアップデート来ちゃいました!
少しだけさわってみましたが、iOS版と変わらず、機能が追加されたようです。
残念ながらペアリングの安定性が上がったようには感じられませんでした。
あとiOS端末と比べてすぐ熱くなりますねアンドロイド端末は。

まとめ

なんだかんだで「とりあえず」動かせる端末は多いようですが、1秒程度遅延を感じられる端末は動作時間が1分を超えるとアバターが固まる(接続が切れる)ため、実際は使用に耐えられないと思います(※)。

ちなみにVRMについては、あくまで私が使ったVRMモデルが動いただけ、ということをご理解ください。
VRM自体がピンキリだと思いますので、機能や見た目がモリモリでリッチなものは、その分端末のスペックが必要になってくるものだと予想できます。
実際に自前のXperia 5 IIでは、VRMを書き出す際にダイエットしておかないと動かなかった時もありました。

VRMはPCのアプリケーションで使用し、端末からはモーション送信だけ行うなら、モデルをHUMANにすることが端末にとって一番低負荷だと思います。うまく活用しましょう。

今回使用して動いた端末についても、公式にリストアップされていないものは、長時間の接続で動作が不安定になったりトラッキングが甘くなったり、処理落ちしたり、など不安要素があるはずです(だからリストに無い)。その辺り十分理解したうえで利用するか考えましょう。

また新規で端末を購入しようとお考えの方は、最低でもiPhone 12、iPhone SE(第3世代)あたりを検討してください。

いろいろ書いてますが個人的には満足度は高めです。
もちろん、不満もあります。
mocopiはどこでも誰でも手軽に使える機器だと思いますが、トラッキングデバイスが6点のため複雑な動きに対応できていないようです。
常に足の裏が地面に接していることが前提な処理だと思われ、例えば逆立ちなど足が浮いた状態だと、動きがおかしくなってしまいます。寝る動作も良くないみたいです。

今後はその辺りを改善してほしいですね。デバイスを任意で追加できるようになるのも良いと思います、またお金がかかりますが。

あとはベルトとかデバイスとか、汚れたり壊れたときは1個ずつ購入できるようにして欲しいですね。頭のベルトは特に臭くなりそうで…
ソニーさん、これを見ていたらぜひ検討ください。

以上です!
mocopiはアップデートでまだまだ改善されそうな要素が盛りだくさんですので今後の展開が楽しみですね。
それではみなさん、良いmocopiライフを!

※ すぐ警告が出て固まる端末でも、問題なくアプリがダウンロードできるし(OSが条件を満たしていないときは不可)、ペアリングもできるし、なんならトラッキングもできちゃうけど、いざ使ってみると、動作に耐えられないって流れです。