ようやく来たぞRTX!
今回は2021年8月にAPEX RENTALSに登場したWindows10搭載のハイスペックなゲーミングパソコン「DELL G15」をご紹介します!
レンタル取り扱いでは初の「GeForce RTX」シリーズのグラフィックス搭載パソコンとなり、G15はモデルがいくつかあるようですがCPUがIntelの第11世代Core i7搭載のものをチョイス。AMDのRyzen版ではありません。
特集ではこれまで数機種のパソコンのベンチマーク結果を紹介してきましたが、そのときは従来の「GeForce GTX」シリーズでしたし、CPUの世代も古いものになりますので、新しいものを積んだG15はそれらのスコアを間違いなく超えてくるはず。
そして今回は、ベンチマーク以外に、親戚のような名前の大人気ゲームもプレイしてみましたので、その結果もお楽しみに!
さっそくやっていきまーしょう。
GeForceのRTXとGTXの違い
と、その前に、サラッと書いてしまったRTXとGTXの違いについて簡単に説明しておきます!
ご存じのとおり?「GeForce」はNVIDIA(エヌビディア)というアメリカの会社が開発しているグラフィックボード(ビデオカード)のブランド名です。
2021年時点で「GeForce RTX」と 「GeForce GTX」という2つのシリーズを目にすることができます。
そしてその違いを端的に言うとRTXはGTXの上位モデルになります。
具体的に分かりやすい部分で違うところはRTXシリーズはリアルタイムレイトレーシングに対応している点でしょう!
ここでまた新しい言葉が出てきましたが、困った時のWikiPedia!
レイトレーシング(ray tracing)とは「光線などを追跡することで、ある点において観測される像などをシミュレートする手法」
とのことですが、う〜ん、わかりづらいです。
自分の言葉で言い直してみますと、レイトレーシングは「光による反射や屈折などを考慮した演出表現を描写する」方法のことで、それをリアルタイムで処理できるのがリアルタイムレイトレーシングというわけです。
自然現象をリアルタイム演算するには莫大な情報を即座に処理できるパワー!(ハッ!)が必要で、それをこなせる能力がこのRTXには備わっているのですね!
G15 15の外観をチェック
話がそれましたが、いつもの展開に戻りまして外観チェックです。
ゲーミングPCですが15インチモデルなのでそこまで大きくはないかな、と言うのが第一印象です。
DELLのゲーミングパソコン最上位である「Alienware(エイリアンウェア)17」がでかすぎるとも言えます。
アイスクリームみたいな斑点が気になります。
底面は大きく吸気するための穴が開いています。
下から吸いこんで、左右や後ろ側から排気されるフローです。
後ほどその様子を載せますが、負荷をかけるほどファンの爆音とともに熱風が出ます。
端子をチェック
後面にはHDMI、USB AとType-Cがそれぞれ1個ずつ。
UBS Type-C端子はThunderbolt 4規格となっています。
USB関連の権威だと個人的に思っているはんぺんさんの言葉を借りると、「Thunderbolt 4は最高スペックのUSB4」で、USB4の最高データ伝送速度の40Gbpsにも対応している、すごいやつです。 (対応機種やらケーブルは必要ですよ!)
右側にはUSB A端子が2つ、左側にはLANとヘッドフォン出力があります。
LANは差し込み口が保護される半カバーみたいなものがついてます。
ちなみにUSB端子の横に「SS」とマークがあり、そこから3本の矢印が伸びているのですが、よーーーーーーっく見ると数字が小さく添えてあります。このG15 15には「5」と書いてあります。
こ、これはもしや…時代を先取りしたUSB5!?……ではなく、5Gbpsという速度を表しています(Thunderbolt 4の4分の1です)。
残念なことに転送速度5Gbpsは、USB 3.2シリーズ最弱の転送速度です。
Thunderbolt 4に対応した機器とケーブルをお持ちなら、最高40GbpsのUSB Type-C端子を使いましょう。
キーボード、タッチパッドをチェック
ゲーミングPCによくあるカラフルな光彩は一切なし!やんわりとバックライトがキーの底側が光ります(写真参照)(印字された文字は光りません)。
素材がチープですが、まあ仕方ないところでしょうか。
キーストロークがかなり浅く、パタパタと軽快にタイピングできます。
続いてタッチパッド。
こちらはマットな肌触り(指触り?)が気持ちよく、2本指や3本指の操作にも対応しているので、操作に慣れればマウスが無くても全く問題がなく使えます。
マイナスポイントを言うならば、個人差はあると思いますが、操作領域が若干狭いかなと感じました。Macのタッチパッドは大きく操作しやすいので、Winユーザーとして、あれはうらやましいですね。
液晶ディスプレイをチェック
ディスプレイを角度をつけて眺めてみました。
このようにどの方向から見ても大きく破綻せず優秀さが確認できます。
なおAPEX RENTALSで取り扱うG15のディスプレイは120Hz駆動です。165Hzではありません。
G15の性能をチェック
ここからは各種ベンチマークのソフトウェアを実行してみた結果を載せていきます。
基本的にベンチマーク実行時の設定はいじっていません。
Crystal Markベンチマーク
CPUやHDD(SSD)など総合的なスコアがわかります。
7-Zipベンチマーク
7-Zipはファイルやフォルダの解凍・圧縮ソフトです。
その処理を疑似的に行わせることでCPUのスコアを測定できます。
Crystal Disk Markベンチマーク
SSDなど記憶媒体のスコアがわかります。
3DMARK Time Spyベンチマーク
こちらはDirectX12に対応したベンチマークテストです。
DirectXとはWindows上でゲームを処理するために、プログラムとOSとの仲介に使われる決まりごとのようなものです。
FFXIVベンチマーク スコア:17280
ファイナルファンタジー14です。このゲームは最高の画質で快適に遊べそうです。
FFXVベンチマーク(高品質) スコア:8529
続いて15です。FF14より高スペックが要求されるゲームです。
「高品質」ではノーマルな「快適」にとどまりました。
FFXVベンチマーク(標準品質) スコア:11305
「標準」に描写の質を落とすことで「とても快適」が出ました。
先に記載したとおり内蔵ディスプレイが120Hzで駆動しますので、普段見慣れている60Hzと比べると明らかに滑らかな描写です。
FFXVベンチマーク カスタム
ちなみにカスタム設定で「DLSS※」を使用した場合のスコアは5389(やや快適)、カスタムですべて高い設定にした場合のスコアは3483(普通)でした。
いずれも実行には4K(3840x2160)解像度が必要で(フルHD(1920x1080)では実行できない)、G15では高負荷なゲームは4K画質で快適に遊べない可能性がありそうです。
※DLSSとは「Deep Learning Super Sampling(ディープラーニング スーパー サンプリング)」のこと。詳しくは公式をご覧ください。
・NVIDIA DLSS(外部リンク)
実際にゲームをプレイしてみる
こういった紹介記事では初の試みなのですが、快適にゲームができるゲーミングPCなら、実際にゲームをしてみるのが一番すごさがわかるのでは?
と考えたので、短時間ですがプレイした感想になります!
Apex Legendsをプレイしてみる
エーペックスレジェンズは大人気のオンラインバトルロイヤルゲーム。弊社のサービス名とほぼ同じですが残念なことに無関係です。
ちなみに「APEX」と検索するとレジェンズしか出ないので弊社のことは「レンタル」も付けて検索してね
ゲーミングPCと言えばまずは3Dゲームでしょう、ということで選択したエーペックスですが、筆者は3D酔いが激しいため、普段自宅でエーペックスを嗜むスタッフに代わりにプレイしていただきました!
なお動作のための推奨スペックはこのような感じですので、G15は余裕余裕、マジ楽勝といったところ。
- CPU:Intel i5 3570T以上
- RAM:8GB
- グラフィックス: NVIDIA GeForce GTX 970 / AMD Radeon R9 290
- VRAM: 8GB
結果、『最新型には及ばないが、デスクトップPC並に快適に動作して普通に遊べる』と言った評価でした。
ただし
・フルパフォーマンスを発揮させるにはAC給電が必須
・ボディがかなり熱を持つので、対策せずに長時間プレイは危険かも
とアドバイスも。
バッテリー駆動時はパフォーマンスが大きく低下することも確認しています。
やはり(電)力こそパワー…ッ
ちなみに画面右上に表示させたfpsの値は、煙幕など画面いっぱいに特殊描写されるシーンは80くらいまで下がりましたが、大部分で120近くをキープしていました。
エーペックスレジェンズのような多くのプレイヤーが一堂に会し、広大な空間で競い合うリアルタイムな3Dゲームは多々ありますが、このG15なら同様にストレスなく楽しめるはずです。
G15の内蔵ディスプレイはリフレッシュレートが120Hzなので、残増感が薄くてグラフィック描写も美しく、プレイしないで見ているだけでも楽しかったです(短時間なら酔わない)。
試しに画面のリフレッシュレートを60Hzに設定して動かしてみましたが、60Hzでは残像感がすさまじく、移動中のオブジェクトなども精細さを欠いた塗り絵のような描写になっていました。
これでは3D酔いもしやすそうです。60Hzはダメですね(個人の見解です)。
サーマルカメラで表面温度をチェック!
エーペックスレジェンズ、上でお伝えしたように快適に遊べるのですが、冷却ファン音が非常にうるさい。
これだけすごいグラフィック処理をしているのだから、CPUやGPUはさぞかし熱くなっているはずで、ファンがうるさくなるのはごもっとも。
わかっていても本気でうるさい。
そこでPCがどのくらい熱くなっているのか、サーマルカメラを使って熱画像として捉えてみました。
結果が以下の写真です。
30分くらいのゲームプレイでしたが、表面の高いところで55℃くらいになっていたようです。
ディスプレイの左右にも熱が帯びたようすが見えますが、これはその方向に冷却ファンが噴出しているからです。
冷却中と聞くと涼しそうですが、実際に噴出されているのは熱風です。排熱ですね。
ちなみに以下はゲームプレイ中ではありませんが、本体の背面からも熱風が出ますし、かなり熱を帯びます。
下の画像は背面を撮影したところです。
サーマルカメラは視覚的に見れてわかりやすいですね。
また写真からわかるように、パームレスト付近は熱くなりにくい設計のようです(他のゲーミングPC(DELL G5)も同様)。それでもキーボードは40℃くらいになっているので…あまり長く触りたくはないですね。
以下はゲームプレイ直後に確認した、CPUとGPUの温度とファン速度です。
スクリーンショットを収める時に数℃低下しているのを目視で確認しましたが、それでも内部はやけどをしてしまうほど高温ですね…そりゃうるさいはずです。
ちなみにFF15のベンチマークを3周くらいし続けた後の表面温度も撮影しましたが、上のようにエーペックスレジェンズ並に熱くなってます。
3Dゲームは熱くなるようです。
beatmania IIDX INFINITASをプレイしてみる
続いて音楽ゲーム、いわゆる音ゲーもやってみました。
音ゲーはPCの性能をそこまで要求しないため、G15への負荷は大したことありません。
ではどうしてチェックに用いたのか…
そう!このインフィニタスはゲーム表示がリフレッシュレート120Hzに対応!
つまりエーペックス同様、プレイに良い影響があると考えたためです。
通常の60Hzとどのくらい差があるのか、検証してみました!
まずは60Hz。
液晶ディスプレイで音ゲーを遊んだことがある方なら想像に難くない、あのぼやっとした残像感が、写真でもはっきりと表れました。
カメラのシャッタースピードを調整して、残像がわかりやすいように写真を撮影してみました。
POORの文字の上部にあるオブジェクトが分身しているかのような描写が見て取れます。
続いて120Hz。
写真だとそこまで大きな差が無いように見えるかもしれません。
よく見ると60Hz時と同様に残像が描写されていますが、実際にリアルタイムで見ると別物、別世界の感覚です!
何より画面を凝視していても見やすいうえに目が疲れにくいような気がします。
なかなか快適に遊べそうです。
60Hz、120Hzで別々の写真だとわかりづらかったかもしれませんので、わかりやすいようにオブジェクトが降ってくる場所を拡大して並べてみました。
いかがでしょう?
ゲームは60Hzでやるものじゃないと筆者は強く思いました(個人の見解です)。
120Hzかなーやっぱ
余談ですが、G15のキーボードはデフォルトでNキーの同時押しに対応していないようなのでご注意ください。
サーマルカメラで表面温度をチェック!
先ほども書いたとおり、ゲームの負荷はそこまで高くないため、3D関連と比較するとアイドル時並の発熱です。
アイドル時の表面温度はこんな感じです。
まとめの感想
G15のご紹介は以上です。
総合力が高いことはスペックシートを見るだけでわかっていましたが、画面のリフレッシュレートがゲームにとっていかに大事なことなのかは、わかりませんでした。
今回いろいろと検証していくにつれてそのことがはっきりと理解できました。
高リフレッシュレートな機材は、まだまだレンタルで取り扱いが少ないので、今後どしどし増えていくことを期待したいと思います!
最後にお約束
近年、ネット配信が盛んにおこなわれています。
安定した配信にはCPUやメモリだけでなく、グラフィックスの性能も大きく影響します。
ゲーミングパソコンという名称からか、ゲームプレイだけに照準が向きがちですが、G15に積んであるRTXのような高性能なグラフィックスは、あらゆる処理にとって重要視されるべき要素になっていると言えます。
「3Dゲームも配信もしないから…」という理由でゲーミングパソコンを選択しないのは、非常にもったいないことだと思います。
快適にストレスなくパソコンを動かすには、高い処理能力が必要です。
レンタルをご検討いただく際は、どうぞG15を含めたハイスペックなパソコンも併せて、ご検討いただければと思います。
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