ついにきた!ごつくないフルサイズ ソニー α7C レビュー
小さなボディだからいつでも持ち歩ける!
α6000 の発売から6年半、ついにソニーから、レンジファインダースタイルとでも言うのでしょうか、ファインダーのでっぱりが無いボディのフルサイズミラーレスカメラ α7C が登場しました。
気になるその性能は、いまだ人気が衰えることを知らない α7III とほぼ同等!
しかも、α7III もフルサイズセンサーを搭載するカメラとしてはかなりの軽量(ボディのみ約565g)でしたが、α7C はさらに軽い約424g!
外観の似ている α6600 が約418gなのを鑑みると、わずか6gほどしか差がありません。この6gにいったいどれだけの夢と理想を詰め込んだのでしょうか!?
α7Cとα7IIIとα6600のボディサイズ比較
さらに α6600 はAPS-Cサイズのセンサー、α7C はフルサイズセンサーです。
見てください、このセンサーサイズの違いを!
α7Cとα6600のセンサーサイズ比較
まあ実際は詰め込むために削り落とされた現実もあるわけですが…今回の記事では新倉山浅間公園や奥多摩へ向い α7C で撮影した写真を織り交ぜて、その辺りをまとめました。以下さっそくどうぞ。
α7Cの得意なこと
オートフォーカスがすごい
まずオートフォーカス(AF)周りでの進化に目を惹かれます。
基本的には α7III や α6600 を踏襲したAF性能ですが、新機種が出るたびに動体撮影に強くなっていくαシリーズ。
α7Cでは、旧世代の「ロックオンAF」よりも動体追従に磨きがかかった新世代のAF「リアルタイムトラッキング」に対応しました。
「リアルタイムトラッキング」はタッチ操作を「タッチトラッキング」に設定すれば、モニター上でフォーカスしたい被写体にタッチするだけで発動します。
「タッチトラッキング」は静止画撮影だけでなく動画撮影でも使えますので、バリアングルモニターを見ながらとてもかんたんに使えます。
専門用語とか出てきてよくわからない!…す、すいません…AF周りを単純に言うと、モニターをタッチして気持ちよく軽快にシャッターを切るだけで、誰でもそこそこ写真や動画が撮れる、ということです。
もちろんAFで流行りの顔認識や瞳認識も高精度で働くので、ミラーレスは動体撮影に弱いなんて時代は、完全に過去のものとなったわけですね(顔認識は人の顔で働き、猫などの動物は瞳認識のみとなります)。
あとは地味なところですが、暗いところでもAFが効きやすくなっているのも良ポイントです(EV-4)。
最小&最軽量
α7III より約140g、α6600 より約6gと、数字にするとわずかかもしれませんが、実際に持ってみると α7III とはかなりの差が感じられるほど軽量化が図られています!
可能な限り小さくて軽いカメラ(しかもフルサイズで)を望んでいた方は、私を含めて多数いらっしゃるはず!例え少数派だったとしても、α7Cは待ちに待ったカメラですよね!?
α7C の最大コンセプトは 最小最軽量フルサイズカメラ だと思っています(それを大きく謳っていますしね)ので、ソニーはこのコンセプトを最重視して設計・開発したはず。
事実、その目的は達成しました…が、残念ながら同時にデメリットも発生してしまいました。
そのデメリットについては、次項で話したいと思います。
α7Cの苦手なこと
ファインダーが残念
界隈でも取り上げられていますが、ファインダーがいまいちです。スペックどおりと言えばそうなのですが、実際に α7III と α6600 とで見比べてみたところ、一番小さく狭く感じました(α6600 との差はごくわずかです)。
決して見づらいということは無いのですが、ファインダーを覗いて撮影したい方、特にα7シリーズを使っていた方には、強くおすすめできないかもです。
しかも α7C にはなんと!アイカップがありません。
ありませんと言うのは「付属していない」のではなく、「オプションとして販売もしていない」のです。
装着すらできないなんてひどい…。
α7Cとα7IIIとα6600のファインダー比較
一方で、初めてαシリーズを使う方や α6000(5000)シリーズを使っていた方には、いわゆる杞憂です。
後者は最初だけ「あれ?」と感じるかもしれませんが、すぐに気にならなくなる程度の差です。
ちなみに α7C も α7III も α6600 も、液晶&ファインダーともに美しさにそん色はありませんでした。狭いか広いかだけの違いです。
ソニー的には、チルトモニターからバリアングルモニターにしたことで、「ファインダーはあくまでサブで、モニター画面を見ながら気軽に撮影してね」という意図なのかもしれません。
その思惑通り?今回撮影してきた写真はほぼモニター見て、タッチフォーカスして撮ってます。
お世辞ではなく、ソニーのモニターは明るい日中でもめちゃくちゃきれいなので、ほとんどのシチュエーションにおいてファインダーでの撮影は不要だと思います。
以上より、ファインダーを覗いてじっくり撮影したいんだ!という方は、α7Cは避けた方がよろしいかなと。
グリップが小さい
続いてグリップですが、こちらも多々言われておりますね。握り比べると明らかにグリップがしょっぱいです。
α7Cとα7IIIとα6600のグリップ比較
比較写真でもそれは明らかです。
側面からはもちろん、上から見てみると、シャッターボタン周りが α7III や α6600 よりもきゅうくつで余裕のない配置になっています。
ちなみに先ほど物申したファインダーも他と比べてでっぱりが少なく控えめで、邪推になってしまいますが、グリップにせよファインダーにせよ、比較機種より1mmでも薄く、1gでも軽量にしろ!と上から重圧を掛けられた結果のデザインな気がします…。
エンジニア泣かせ、マーケティングありきの設計で、しかも使用者の利便性を考えていない…まるで単身者向けの賃貸物件のようです。
価格が高い
あとやっぱり高いですよね。
どれだけ評価を下方してもすごいカメラに違いは無いですし、強気な価格設定も致し方ないとは思います。
ソニーは悪くない…悪くないのですが、カメラに限らず多くのものが価格上昇しているのに賃金は比例しない世の中…気軽に買ってもらいたいならもう少し…。
まとめ
SEL20F18Gを装着したようす
α7Cの得意不得意を語ってみました。
実際に使ってみた結果を踏まえると、「機種選定の要素として小型が最重要ポイントでない限り、わざわざ α7C を選ぶ必要はないかな」が結論になりました。α7III をお持ちの方は特に、です。
α6500 をお持ちの方はどうでしょう。
α6500 は発売からほぼ4年経ちましたし、フルサイズにステップアップしたいな、とお考えでしたら、買い替えはありだと思います。
また α6600 をお持ちの方、一番悩ましい状況だと思いますが、手放す(下取り)ならややありだと思います。
ただし現実を突きつけさせていただくと…APS-Cボディからフルサイズボディに買い替えるすなわちレンズもフルサイズ用が必要になるということをお忘れなきように。
これは α6500 の方もそうですが、お手持ちのボディとAPS-Cレンズを下取りに出したとしても、費用はかなりのものになると思います。
そこで!
APEXレンタルでは、α7C はもちろん!FEレンズも多彩に取り揃えております!
ボディだけ買い替えてレンズはレンタルする、という運用も、ありなのではないでしょうか(宣伝)!!
α7C もレンタルできますが、気軽に借りていただける金額ではないかもしれません…でも良かったら、試しに借りて使ってみてください。
私事ですが、バリアングルモニターはあまり好きじゃないのですが、そういった性能・機能も大事ですけど、α7C の重くない、かさばらないっていうのは、実際に使ってみると「やっぱいいじゃん」ってなります、なった。
α7C はそんなあなたの新たな一面を見出してくれる、可能性を秘めたフルサイズミラーレスカメラかもしれません。
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最後によくある比較表を載せておきます。
α7C | α7III | α6600 | |
センサー | フルサイズ | フルサイズ | APS-C |
有効画素数 | 2420万画素 | 2420万画素 | 2420万画素 |
ファインダー | 0.39型 約0.59倍 約236万ドット |
0.5型 約0.78倍 約236万ドット |
0.39型 約0.70倍 約236万ドット |
シャッタースピード (秒) |
1/4000〜30 | 1/8000〜30 | 1/4000〜30 |
フォーカス測距点数 | 693 | 693 | 425 |
対応フォーカスエリア | リアルタイムトラッキング | ロックオンAF | リアルタイムトラッキング |
AF検出の限界低輝度 | EV-4 | EV-3 | EV-2 |
カードスロット | シングル | デュアル | シングル |
液晶モニター | バリアングル | チルト | チルト |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
IEEE 802.11 b/g/n |
IEEE 802.11 b/g/n |
幅x高さx奥行 (約mm) |
124.0×71.1×53.5 | 126.9×95.6×62.7 | 120.0×66.9×59.0 |
本体のみ質量 (約g) |
424 | 565 | 418 |
おまけ
以下は α7C で撮影した動画です。ファイルサイズが大きいためギガにはご注意ください。