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単焦点並のボケと解像感を楽しめるズームレンズ 50-100mm F1.8 DC HSM Art

ボケも解像力も一級品!
シグマ 50-100mm F1.8 DC HSM Art

今月は、F1.8通しの変態ズームレンズ「シグマ 50-100mm F1.8 DC HSM Art」のレビューということで、おなじみ昭和記念公園で開催中のチューリップガーデンに行ってきました。

ボディはキヤノン EOS 80Dを選択。タッチ操作にも対応したバリアングル液晶モニターが便利な、APS-Cセンサーを搭載したカメラでは中級機モデルです。

80Dの重さは約730gですが、一方50-100mm F1.8 DC HSM Artの方はなんと1500g!
撮影中の重さは実に2.2s超!!実際に持ってみると乾いた笑いが出てくるほどの重量感でした。

重いのはガラスの塊だからということが、以下の写真からお分かりいただけるかと思います。
しかも元々でかいのにフードを付けるとさらにドカンとでかくなります。



こんなレンズ誰が使うんだ?と脳裏をよぎりますが、世の中(良い意味で)奇特な人が多く、2019年3月15日のレンタルスタートからかなりの頻度でレンタルに出ずっぱり。
やはりこの特殊さに惹かれてしまった方は、使いたい試したいという欲求を抑えきれなくなってしまうのでしょうか。

また、別の懸念材料として手ブレ補正機構が搭載されていません。
キヤノンのデジタル一眼レフカメラにはボディ内手ブレ補正機構を搭載したモデルも存在していないため、不安を感じる方もいらっしゃるはず。
とは言っても50-100mm F1.8 DC HSM Artはズーム全域で明るさがF1.8。この明るさがあればある程度カバーできますので、致命的な欠点ではないかなと個人的には思います。

失礼、前置きが長くなりました。
拙い写真とはなりますが、ステータスを画質に全部りしたシグマが放つ50-100mm F1.8 DC HSM Artの実力、どうぞご覧ください。※加工はほぼしていません

とりあえず試し撮りですが、撮れた写真を見たら言葉を失いましたね。

EOS 80D f/1.8 1/500 ISO 100 +0.7 100mm

F1.8、F2.8、F4.0で撮り比べてみました。
F1.8のとき、ボケが中央のチューリップをひときわ強調されているのがわかると思います。

F4.0でもボケ味は健在ですがやや控えめになります。
開放でも十分すぎる解像度がありますので、開放からバンバン使えて、写真に収めたいイメージに合わせて絞りを調整することができるレンズだと感じました。

EOS 80D f/1.8 1/2500 ISO 100 +0 50mm

EOS 80D f/2.8 1/1000 ISO 100 +0 50mm

EOS 80D f/4 1/500 ISO 100 +0 50mm

少しだけ絞った描写です。

EOS 80D f/2.8 1/3200 ISO 100 +0 100mm

前ボケ、後ボケのサンプルです。

EOS 80D f/1.8 1/6400 ISO 100 +0 100mm

EOS 80D f/2 1/3200 ISO 100 +0 100mm

EOS 80D f/1.8 1/4000 ISO 100 +0 52mm

基本的に大いにボケを楽しめるレンズだと思いますが、背景によってはボケが少し騒がしいかな、とも思います。

EOS 80D f/1.8 1/1600 ISO 100 +0 100mm

明るいレンズですからやや暗めの場所でも安定感のある描写を楽しめます。風によって木陰が目まぐるしく変わる場所だったので、シャッターを切るたびに違った雰囲気の写真が生まれました。

EOS 80D f/1.8 1/3200 ISO 100 +0 100mm

この日は晴天で春の温かさを大いに感じられる穏やか日となりましたので、平日とはいえ人が絶えないほど混みあっていましたが、中望遠&F1.8のスペックで気にならない程度にまでかんたんにぼかすことができます。

EOS 80D f/1.8 1/1600 ISO 100 +0 100mm

そうはいっても余計なものが入らない写真を撮りたいので構図が似通ってしまい申し訳ないです。

EOS 80D f/4 1/800 ISO 100 +0 52mm

最後に懸念材料を1点。
50-100mm F1.8 DC HSM ArtはAPS-C専用のため、実際の焦点距離は最広角でも約75mm程度になります。
そのため「もっと広く撮りたい」と思うときは多々あると思います。
具体例として、こういったものは近距離では全体を収めることができません。かといって離れすぎると人が横切るためなかなか撮れません。

記録だけならスマホでもいいのですが、広角が撮りたくなった時のために小型の広角レンズを1本持っていくと良いかもしれません。
キヤノンならEF28mm F2.8 IS USM(260g)、ニコンならAF-S NIKKOR 28mm f/1.8G(330g)あたりはいかがでしょうか。

まとめ

ここまで見ていただいた皆さんは、どうでしょう、使ってみたくなりましたか?
このレンズは「でかい」「重い」「手ブレ補正が無い」と三重苦です。
でも1度試せばそれを受け入れてしまうほど、魅力あふれるレンズだと思います。
今回は1時間ほどの試用でしたが、自分は変態レンズ(失礼)の魅力を十二分に感じることができ、見事に虜にされました。

でかい重いと文句を繰り返し言ってきましたが、ひ弱な自分でもそこまで腕に負担が来なかったので、読者の皆さんならまあ大丈夫でしょう(笑)。
長時間使いたいよ、持ち歩きたいよ、という方は筋トレ(前腕筋あたり)を行い重点的に鍛えてから使いましょう。

シグマ 50-100mm F1.8 DC HSM Art(キヤノン用) のレンタルはこちら

シグマ 50-100mm F1.8 DC HSM Art(ニコン用) のレンタルはこちら

ちなみにチューリップガーデンは4月17日(水)現在見頃です。週末も良い感じに楽しめると思いますので、興味のある方は是非昭和記念公園へ足を運んでみてください。
ただし、超絶混みあうと思いますので覚悟の上で…。